2011-02-26

10通目:夢みごこち

最近、暖かくなってきた。
昼間はちょっと暑く感じるくらい。

春眠暁を覚えずというけれど、うっかりうとうとしそうな
まさしくそんな暖かさ。

今日はそんな小春日和にうってつけの一冊
フジモトマサルさんの「夢みごこち」を購入。

絵がかわいい…。

フジモトマサルさんの描く動物たちはかわいい。
でもストーリーや台詞からブラックさを感じる。
ぴりっと、とかそんなレベルじゃねえブラックブラックガムもびっくりのブラックさだよ。

物語の最後で「ああ、夢だったんだ…。」で終わるのを「夢オチ」っていうけど
このマンガはひとつひとつのストーリーが「夢オチ」でつながっていて
夢から覚めたのにそれもまた別の誰かの夢でっていうマトリョーシカ構造。
しかも夢の世界は自由なはずなのに「夢警察」なるものが取り締まりに来るという。

安心と不安が同居していて不条理な出来事にもなんだか仕方ないなそういうものかと納得してしまうし話の筋はどんどんあらぬ方向へ流れ続ける。

まさしく夢そのもの。

まさしく悪夢そのもの。




2011-02-18

9通目:海帰線

昨年亡くなった、今敏さんの長編マンガ「海帰線」が新装版になって発売されていました。
以前から読みたいと思っていたので迷わず購入。

海人伝説のある町の神社には「海人の卵」が祀られており、神主の家系は代々卵を世話する役目を引き継いでる。
当代の神主は町の発展のため海辺のリゾート開発を推進する建設会社に協力し、海人伝説を町起こしに利用しようとするが一部の住民や息子の反発を受け、やがて卵を巡り不思議な事が起り始める…という海洋ファンタジーです。

海人という「稀人」と約束を交わした神主の家系における祖父・父・息子の三代の見解の違いと、開発か地元の人間が長らく続けてきた営みの形かという対立が絡みあう中、超現実的な出来事が起るのですが、とても静かに始まり静かに終わって行きます。
夏になったらまた読み返したい。
装丁は旧版の方が良かったので、そっちを手に入れれば良かったかなあと思ったり。


今敏さんはマンガより「東京ゴッドファーザーズ」や「パプリカ」といったアニメの方が有名ですね。
特に「東京ゴッドファーザーズ」は名作で、クリスマスにTV放映すればいいのにって思うんだけどな。ちょっとTVでやるには長過ぎるんだろうか。