2011-05-03

12通目:ミツバチのキス

木々の緑が鮮やかで、暑すぎず寒くもなく、晴れた日の清々しいこと。
5月は一年で最も好きな季節です。
この季節をすぎるとじとじとした梅雨に入り、それが過ぎれば汗だくだくの夏が来る…。
どっか一年中5月の土地はないもんか。
常春の国マリネラみたいに。

今日は別にパタリロの事じゃなく(好きだけど!)他のマンガの話題。
伊図透さんの「ミツバチのキス」を読んだ感想。

主人公の草野慧は人に触れるだけで相手の「全て」が見えてしまう特殊能力の持ち主。
様々な組織や機関が彼女の能力を利用しようとし、接近するがその能力ゆえに本人は誰にも増して孤独であり、人に「触れる」ことができない。
利用される事、そして他人の事が見えてもそれが良い結果を生まない事に嫌気がさした彼女は自身の能力を知る人のいないところへ逃げて暮らそうと試みるが、それはまた、別の苦しさを背負う事になる。

という結構ずっしりした内容のマンガでしたね、こりゃ。

人がそれぞれ内に抱えているものがすべて「見える」っていうその設定が、超へビー。
よく「人の気持ちを察しろ」とか「相手の身になって」とか聞きますけど
全部わかったらそりゃーイヤだろうな。
そんでまた主人公の女の子が性格自体は至って普通の若い女の子ってところが
また苦悩を深めているという。
これがただの諦観に満ちたさすらいのおっさんとかだったらまた違うお話になるんでしょうが。
二巻目の終わりが救いのある感じだったのですが、果たして幸せは訪れるんでしょうか。
そして駿河さんは「珈琲時間」の山崎さんと同じポジションだと思う。